爬虫類の温室を自作してみた!必要アイテムと電気代節約術

爬虫類を飼育する際、費用としてかなりの割合を占めるのが電気代です。

平均して30℃前後とやや高めの気温を好む爬虫類を飼育するためには、暖房器具などをフル活用し、ケージ内を保温しなければなりません。

特に冬場の電気代はかなりかさむため、悩んでいるかたも多いことでしょう。

そんな電気代でお困りの方におすすめなのが、爬虫類用温室です。

ケージのサイズや数に合わせた温室を自作すれば、温度管理が圧倒的に楽になりますし、電気代の節約にもつながります。

今回は爬虫類用温室を作るメリットや制作手順について解説をしていきますので、ぜひお役立てください。

温室を作るメリット

まずは爬虫類用温室を制作するメリットについて解説していきます。

電気代が安くなる

温室を作る一番のメリットとも言えるのが、電気代が安くなるという点です。

爬虫類は30℃前後とやや暖かめの気温(室温)を好むのですが、爬虫類ケージを置いている部屋を30℃に保とうとすると、エアコンやヒーターをほぼ一年中つけておかなければなりません。

その点、温室を作れば温室内だけ暖かく保てば良いため、結果として電気代を節約することができるのです。

温度・湿度の管理が楽になる

温室という限られた空間内だけ保温できれば良いため、温度管理がかなり楽になります。

また、冬場の日本は湿度が下がる地域が多くなりますが、温室内の湿度は過度に下がることがありません。

もちろん、多湿を好む生体に対してはそれなりの湿度対策が必要となってきますが、温室を使用しない場合と比較すると、圧倒的に楽に湿度管理することができます。

手持ちのケージに合ったサイズのものを用意できる

実は『爬虫類用温室』という名の既製品は数多く販売されているのですが、どれも高価なものばかりです。

お手持ちのケージのサイズや数が、温室内に収まりきらないこともあるでしょう。

そのようなときにおすすめなのが、爬虫類用温室の自作です。

温室を自作すれば既製品を購入するよりもずっと安く済ませることができますし、ケージのサイズや数にぴったりと合ったものを用意することができます。

温室制作に必要なもの

続いては、温室を自作する際に必要なものについてご紹介していきます。

用意するのは以下の5点です。

  • ビニールカバー付きのラック
  • スタイロフォーム
  • 熱源(小型ヒーター)
  • サーモスタット
  • 小型ファン

ビニールカバー付きのラック

まずはビニールカバーが付属したラックを用意します。

安価でサイズ展開が豊富な園芸用のビニール温室がおすすめです。温室に入れる予定のケージの数やサイズに合わせて、適度なサイズのラックを選びましょう。

ラック一段あたりの耐荷重もしっかりと確認しておきます。

スタイロフォーム

温室の床面と背面はどうしても冷たい空気が入り込みやすいので、保温効率を高めるために、スタイロフォームを挟み込みます。

あまりにも厚いスタイロフォームは温室内に入れることができないため、あれば厚さ1~2cm程度のものを用意しましょう。

スタイロフォームはホームセンターで販売されているのですが、すぐに用意ができない場合は、100円ショップや登山用品店などで販売されているサバイバルシートでも代用できます。

熱源(小型ヒーター)

温室内の熱源となるヒーターも用意します。

デスク下やトイレを暖めるような小型のもので、温風を真上に排出できるようなタイプがおすすめです。

詳しくは後述しますが、ヒーターはサーモスタットに接続して使用するため、電源のON/OFFだけで作動するような簡単なつくりのものを用意しましょう。

人感センサーなど高度な機能があると、サーモでうまく制御できず誤作動の原因になってしまいます。

ヒーターに必要な出力(ワット数)は、温室の広さや部屋の温度によって変わってきます。

サーモスタット

サーモスタットとは温室内の温度を調節する器具のことを指し、上述した熱源(小型ヒーター)と接続して使用します。

サーモには周囲の温度を感知するセンサーが付属しているのですが、感知した温度がダイヤルで設定した温度を下回ると、電気が流れてヒーターが作動する仕組みです。

商品によって動かせるヒーターのワット数が決められているので、熱源となる小型ヒーターのワット数を上回る容量のサーモスタットを購入しましょう。

小型ファン

温かい空気は上部に溜まりやすいため、暖気を温室全体へ循環させるために小型ファンを活用します。
PC用のファンであれば、安価で購入できるためおすすめです。

温室の作成手順

続いては温室の作成手順について解説していきます。

1.温室用のラックを組み立てる

まずは温室用のラックを組み立てましょう。
ビニールカバーは最後に取り付けるため、まずはラックの組み立てだけでOKです。

2.スタイロフォームを配置する

次に、スタイロフォーム(もしくはサバイバルシート)を、ラックの底面と背面に配置します。

もし用意できなかった場合や、部屋の気密性が高く冷気が入り込む心配が無さそうなときは、この工程は飛ばしていただいて構いません。

3.サーモスタットと小型ヒーターを接続する

サーモスタットと小型ヒーターを接続し、任意の場所に配置します。
ヒーターの周囲はかなり高温になるため、ケージが干渉しないように注意しましょう。

また、サーモスタットのセンサーは、温室の上部かつヒーターの対角線上に配置するのが理想的です。

4.小型ファンを取り付ける

温室の上部に小型ファンを取り付けます。
ヒーターからの温風が届く位置にファンを取り付けると、暖かい空気を効率よく循環させることができます。

5.ビニールカバーを取り付ける


ラックの上からビニールカバーを取り付けたら、爬虫類用温室の完成です。

サーモスタットのダイヤルはビニールの外に出しておいたほうが操作が簡単なので、ビニールに切れ込みを入れて、そこからダイヤルを露出させましょう。

切れ込み部分をテープで養生すると、裂け目が広がるのを防ぐことができます。

温室を活用する際のポイント

最後に、爬虫類用温室を活用する際のポイントを2点ご紹介していきます。

特に温暖環境を好む生体は上段に!

ファンで空気を循環させているとはいえ、やはり温かい空気は上方に溜まります。
そのため、より温暖環境を好む生き物(ボールパイソンなど)はラックの上段に配置するのがおすすめです。

温度計は必ず設置しよう

ヒーターの故障やサーモスタットの不具合など万が一のトラブルが起こり得るため、異変にいち早く気づけるよう、温室内の見やすい位置に温度計を設置しておきましょう。

まとめ

今回は爬虫類用温室を自作するメリットや、制作手順などについて解説してきました。

温暖な気候を好む爬虫類を飼育する場合、特に冷え込む冬場は、ケージ内を保温するための電気代が高額になりがちです。

そのようなときはケージのサイズや数に合った温室を制作して、効率よくケージを温めてあげましょう。
電気代がかなり節約できますし、ケージの温度・湿度管理も楽になります。

皆さんもぜひこの機会に、飼育している生体に合わせた爬虫類用温室を自作してみてくださいね!